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Hiroko Takakusaki
高草木裕子

安心するな 心配するな


 「安心するな、心配するな」とは、私がまだ実家にいた頃、しばしば父の口から聞いた言葉である。
 戦時下少年時代を過ごした父が両親から聞いた言葉かと思い、先日聞いてみた。どうやらそれは違ったようである。
 昨今の新型コロナウイルス感染症拡大蔓延状況において、この言葉が記憶の彼方から浮上した。
 不用意に安心してはいられないものの、闇雲に心配ばかりもしていられない。

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 今年の特別に暑い、アトリエ室温は37℃を超す高温多湿の中で作業をしていて大島のアートアイランズメイン会場であった旧波浮小学校校内を思い出していた。
 日常の中でも普段めったにすることのない作業、例えば、収穫ケースに4段も積み上げられたジャガイモの点検をするようなときにさえ、大島での共同生活、日直や食事の準備などを思い出した。
 8月の終盤から0月中旬のある時期、大島・新島でのアートアイランズ経験はそれほど深く夏の経験として染み込んでいる。携帯には時折、同日の過去日に大島や新島で撮影した画像が表示される。
 今年は、自宅にありながら、疑似オオシマを体現し、"今"と"ここ"を綴ってみたいと思う。



 アトリエでの作業中、いろいろなことが起こる。
 ネットを使い始めたのは、ある屋外の展示場所で風の抵抗を最小限とするためであった。それは単なる基底材(基底材とも言い難いが)としての用途であった。

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 ところがこの素材の美しさに気づく。光が透けて通る。

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 この写真の中央に光るのは自然光で、シンクでたまたま撮った写真である。



 今年のアートアイランズTOKYOは、エスキースのWeb展であり、過去作品の紹介ではなく、構想を練っている途中を見せていくような見せ方を求められている(と理解している)。ところが、それがなかなか難しい。
 最終的に「作品」となり得なくてもよいらしい。

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 なにやらこのもわもわしたものがどうなるともわからないが、状況の記録、構想を練っている途中段階として写真に撮ってみた。写真素材で使えるかもという算段である。




『泡沫の夢』



《つづく》

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