(masuii R.D.R での個展に寄せて)
高草木 裕子

確かな存在を主張しつつそこに '在る' または '居る' 佇まい、外的要因が深層に作用し佇むひと・・・。
周囲を許容しつつ放つ存在感、ひとの意識、魂、あるいは命を表現したいと思いました。
今回の展示は黄緑や淡いピンクをベースカラーとした作品が中心となります。
新しい季節、川口に新しく生まれたリノベーション・スペースにもふさわしい展覧会となれば幸いです。

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 佇む (侵略者へ)

  
  Hiroko Takakusaki, 2004,
  Oil on canvas, 「佇」, 53x45.5cm

  
Hiroko Takakusaki, 2004, Oil on canvas,
「在」, 112x145.5cm

 

私達の生きてきたかけがえのない時間が
ここに在りました。
キラキラと輝く
子供達の笑顔と笑い声が
ここに在りました。
あなたにはわかりますか?
あなたにとって大切なものがそこに在るように
私達にとって大切なものがここに在ったのを。
あなたには見えなかったのでしょう?
あなたが大切なものをそっと抱えているように
私も大切なものをそっと抱えていたことを。

私はあなたを見ることができません。
私達の暮らしや命までもを奪うひと。
あなたも私が見えないのでしょうね。

私は光を見失ってしまった。
壊された時を胸に抱えて
私はここに佇む。

2004.8

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